FDreport_vol16
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いきます。ただ、本質は非常に大事なのです。円グラフが何を表わすのですか、そのときに、何に注意しなければいけないのですか、折れ線グラフは何を表わすのですか、どこに注意しなければいけないのですか、棒グラフは何ですかということ、全部きちんと理屈があるのです。その理屈も含めてやると、皆さん納得していただいて、だます方になれとは言いませんが、だまされないようにはなりましょうというお話をします。 こういうものを扱いました。 サリドマイド以外にも、チャレンジャーの打ち上げ事故です。これはゴムが劣化して、低温と高温で非常に劣化したまま打ち上げて事故が発生したという話です。データの出し方によって印象が変わってしまうというお話です。これは降圧剤です。ディオバンという血圧を下げる薬なのですが、この治験の中で、某製薬会社に出向していた社員さん、その製薬会社から大学に出向していた人たちがデータを操作して、不都合なデータを使わなかった、そういうことによって起きた事件などを扱います。余談ですが、この事件のおかげで、大学に臨床統計家の教員ポジションがたくさんできました。 そのような事件の話や、あとは、もう少し一般論としてどのようなところが大事ですというようなお話をするなど、捏造・改竄は論外なのですが、結構、データの取捨選択は悪気がなくてやられることがあります。本当に、今いるかどうか分かりませんが、このデータはなかったことにしようと普通にやってしまう人たちがいたということで、そのような注意は要ります。 留意事項の3回目は法学部の先生です。 28 Faculty Development

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