FDreport_vol16
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トルかどちらか1個しか守れませんという形で、これは中教審のワーキンググループで決めたときには相当もめましたが、結局これを入れなさいとなりました。今、ちょうど多くの大学が新課程の入試のときにどれを入れるかという話になっていて、東大は「統計的な推測」を入れています。阪大などは、最初の年度は移行期間なので入れません。そのあとは、まだ非公開です。同志社大学はどうしましょうかという話を、今考えているところです。 データ分析・統計に関する内容は、小学校の6年間、中学校の3年間、高校の1年までの間、必修として全ての学生が学ぶことになります。このような学生さんが、大学に入ってこられるわけです。その大学に入ってこられる学生さんに、我々は何を提供しましょうかと、今考えているというところになります。 高校の学習指導要領でもう一つ、こちらの方が話題になっています。 「情報Ⅰ・Ⅱ」という二つのものがあり、「情報Ⅰ」が必修です。これは、大学入学共通テストにも出題されるということで、国大協も含めて、「入試に使いなさい」というようなことが言われております。大学としてこれをどう入れるか、いわゆる共通テスト利用入試にどう使うかぐらいを考えるのか、一般入試の中に科目として入れるのかと、なかなか後者に踏み切る大学は難しいのではないかということが言われています。例えば、北海道大学さんは「入れません」という宣言をされて、日本情報処理学会から結構怒られているというようなところもあります。 この「情報Ⅱ」ですが、これは理系の人たちが取るであろう「情報Ⅱ」の中に、実は我々が大学で教えている、今日ご説明する「リテラシーレベル」、「応用基礎レベル」より超えた内容が、ここに入っています。ただ、それを数理的にやれるかどうかはまた別問題ですが、内容的には非常にリッチな内容を「情報Ⅱ」で教えます。この辺は、あまりこのような文部科学行政に関わって来られなかった情報系学会の悲願ですね。まず、共通テストの中で入試に出すということは悲願だったのです。だから本当は、高校レベルまでは、「情報12 Faculty Development

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