FDreport_vol15
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Faculty Development QQ1166.. DDWWCCLLAA1100 「DWCLA10の内、この授業の履修を通してその獲得や向上に役⽴ったと感じられるものをすべて選んでください」 2020年度秋学期と⽐較してみると(図17と18)、その結果は⾮常に似通ったものであることに気づきます。DWCLA10の中で最も選択率の⾼かった項⽬という点では、1位)思考⼒(平均、64.0%)、2位)分析⼒(43.6%)、3位)⾃⼰管理⼒(29.2%)、逆に低かった項⽬は、10位)リーダーシップ(8.5%)、9位)プレゼンテーション⼒(16.2%)、3位)、思いやる⼒(17.9%)でした。この順位は前年と全く同じで、数値にも⼤きな変動はないように⾒えます。平均値の低い3項⽬について少し考えてみたいと思います。まず、リーダーシップと思いやる⼒ですが、これはもともとDWCLA10で意図されている概念とこの表現の乖離に数値の低い原因があるように思われます。DWCLA10が制定された当時の資料を参照すると、思いやる⼒でもともと期待されていたのは「違いを尊重する能⼒」であり「相⼿の気持ちになって⾏動する⼒」です。具体的には協働的に⾏動する⼒であって、この思いやる⼒という表現からは、本来の意図された趣旨はくみ取ることが困難なのではないでしょうか。もし、「思いやる⼒」から趣旨に現在の教育状況を加味し「コラボレーション⼒」に表現を変更するとアクティブラーニングを⽬指す授業内容と合致し、選択率も⾼まる可能性があります。リーダーシップに関しても同様です。ゼミナール科⽬やPBL(Project Based Learning)では確かにリーダーシップを取ることができる場⾯があるかもしれませんが、講義科⽬など広範な授業に⽬を向けるなら「ファシリテーター⼒」とするほうが妥当かもしれません。アクティブラーニングの中核は授業内ディスカッションであり、そのディスカッションをどのように活性化するかが⼤きな課題になっています。議論の中でリーダーシップを取ることはディスカッションを活性化しいろいろな議論を引き出す⼒といえます。そもそもこの項⽬のみ「⼒」という⾔葉が付いていないところにも10項⽬の⼀貫性を損なう側⾯を持ってしまっているように⾒えます。これまでの総評でも提案されていますが、このような部分を含め、2020年代の同志社⼥⼦⼤学の⽬図 17. 学科・科⽬区分の分布(DWCLA 10, 2021春) 図 18. 学科・科⽬区分の分布(DWCLA 10, 2020秋) 55

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