FDreport_vol15
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Faculty Development ◇生活科学研究科 「生活科学研究科における2021年度FD活動報告」 生活科学研究科長 川﨑 祐子 (本稿は2022年1月末に執筆) 生活科学研究科(修士課程)には2つの専攻があり、このうち食物栄養科学専攻にはさらに食物栄養科学コースと臨床栄養学コースがある。現行の臨床栄養学コースでは、管理栄養士としての職場を持たない学部新卒の学生は、本学と連携する病院で管理栄養士として1年間のインターンシップを行い、2年目に病院での課題を修論にまとめる。そのため、入学には国家試験合格が前提となる。また、現職管理栄養士が入学する場合は、自身の職場での課題について研究を行う。本コースは2001年に開設された全国でも先駆的な課程であるが、設置後20年が経過し、その間に日本の栄養関連分野の状況は大きく変化した。医療だけでなくさまざまな職域で、高度な教育を受けた管理栄養士が求められていることへの社会的ニーズに応えられていないことが課題であった。 そこで、昨年3月に管理栄養士または医師免許を持つ教員7名によるワーキンググループ(座長:小切間美保教授)を立ち上げ、精力的に議論を重ねた。研究科教授だけでなく、これからを担う学部准教授も参加し、現状分析と問題点の抽出、解決のための具体策の検討が行われた。その結果、インターシップ先を医療・保健・福祉・学校現場などの実践現場に拡大し、コース名称を「実践栄養管理学コース」に変更することとした。また、グローバル社会に対応する科目の新設や、900時間のインターンシップに見合う単位数の設定、夜間開講のリレー式科目群のセメスター化など、抜本的なカリキュラムの見直しとDP・CP・APの改正を行い、2023年度からスタートする運びとなった。関係諸氏に感謝を申し上げる。本改正により、幅広い分野の管理栄養士に、確かなエビデンスを創出できる高い研究能力を養成する体制作りができたと同時に、入学定員増にもつながるものと期待している。 一方、生活デザイン専攻も、その母体となる人間生活学科のカリキュラムが2022年度より大幅に改正されるのに従い、新しい学修の3つの柱に連動した学びができるようカリキュラムの見直しが迫られている。学部の完成年次を待たずして改正できるよう、作業部会立上げの準備を始めたところである。 43

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