Faculty Development ◇薬学研究科 「大学院FD・大学院教育への取り組み・研究室紹介:臨床薬剤学研究室」 薬学研究科長 芝田 信人 薬学研究科医療薬学専攻(4年制課程)は2012年に開設され、現代の高度化した薬物治療と創薬科学をつなぐ研究の実践を通して、難病の克服や医薬品の適正使用の推進など多角的な面での社会的要請に応え、大学・研究所、医療機関、民間企業や地方自治体で先進的な医療薬学の実践者として、また指導者として貢献できる人材の育成を目指しています。 薬学研究科では、これまでに7名の博士(薬学)を輩出しておりますが、そのうちの1名は当研究科初の社会人大学院生として入学された病院薬剤師の方で、彼女を皮切りにその後も現役薬剤師の方々の社会人入学が続いており、2021年12月現在、2名の社会人大学院生が臨床薬剤学研究室の森田邦彦特任教授のもとで研究を続けています。 当該研究室の主要研究テーマは、各種感染症治療薬や造血幹細胞移植の前処置に用いられる抗悪性腫瘍薬を対象に、それらの投与を受けている患者の体内動態(pharmaco-kinetics, PK)と薬効あるいは毒性(pharmacodynamics, PD)の関係(PK/PD)解析を通して患者個々への最適な投与設計法の構築を目指したもので、当該研究領域では全国の臨床医の先生方からの熱い視線を集める存在です。今回は、森田邦彦先生が臨床薬剤学研究室で実践されている日々の大学院生への研究指導に関してお話を伺います。 <<QQ11::臨臨床床薬薬剤剤学学研研究究室室ででののモモッットトーー((研研究究信信条条))はは何何でですすかか>> 当研究室は、「研究者は薬剤師でなくてもよいが、薬剤師は研究者でなければならない」をモットーにしています。薬学研究科開設と同時に入学した第1期生以降、現在までに受け入れた院生3名はいずれも現役薬剤師の方々ですので、彼女たちの存在はまさに「薬剤師は研究者でなければならない」を実践中の理想的な姿として、後輩の学部生たちの目にも映っているように思います。 <<QQ22::大大学学院院生生のの研研究究テテーーママのの決決定定ははどどののよよううにに行行わわれれてていいまますすかか>> 先述したように、当研究室の院生はいずれも社会人、それも現役の薬剤師の方々ですので、その特色とキャリアを存分に活かすべく各自の医療現場で山積する医療薬学領域の課題にまず気づいていただき、そのなかから重要度や解決に向けた研究遂行の見通しの立ちそうなテーマを絞り込んでいくやり方で決定しています。 <<QQ33::大大学学院院生生ととのの研研究究にに関関すするるデディィススカカッッシショョンンははどどののよよううにに行行わわれれてていいまますすかか>> いずれも本務先のある社会人の方々ですから、実際に対面してディスカッションする機会はかなり制約され、おのずとメールでのやり取りが多くなります。ただ、例えば当研究室に在籍する学部生の研究発表や抄読会などにはなるべく仕事の都合をつけて駆けつけ、ディスカッションに加わってもらうことで、後進の育成にも貢献していただいています。 <<QQ44::大大学学院院生生はは、、よよりり能能動動的的にに研研究究活活動動ををすするるここととがが必必要要ととななりりまますすがが、、そそののたためめににははどどののよよううなな指指導導がが必必要要ととおお考考ええででししょょううかか>> まずは、学会発表を経験させることです。その発表に向けて、知識面はもとよりプレゼン40
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