Faculty Development また、6月の保健所実習は、事前の調整会議では少なくとも実習1日分は対面で実施する計画だったが、蔓延防止法により京都市で実習を行う12グループ59名は全て遠隔で実施することになった。しかし、前年度の全遠隔での臨地実習での問題点を踏まえ、本来は行くはずであった保健所と実習生を遠隔で繋ぎ、実地の管理栄養士等から、保健所管轄内の地域特性や健康問題等の講義を受け、管轄地域にあった実習課題を提供いただいた。実習生は実習3日分の時間を各グループで確保して課題に取り組み、適宜実地の管理栄養士から遠隔で指導を受け、実習課題を完成させた。実習1日目は対面、5日目は通常は対面で行う内容を遠隔で行った。京都市での実地実習は叶わなかったが、行政機関がコロナ禍でも実習を受け入れる判断材料となったのは、前述の本学での感染症対策についての学生指導の取り組みをまとめた文書の提出によると思われる。また、本学が京都府内の保健所臨地実習の年度最初の実習校となることから、本学の実績により他4校の臨地実習が対面で実施される判断材料となった部分もある。9月に行われた京都地区栄養士養成校の連絡会議で、臨地・校外実習の学内振り替え実習についての情報交換が行われた。臨地・校外実習担当教員が症例検討を行った、施設の管理栄養士による対面授業と演習を行った等が多く、本学の栄養管理システムに多くの養成校が興味を示された。 コロナ禍でも一定の臨地・校外実習の学びを確保できたのは、本学科の臨地・校外実習担当者を始め、学科の教員の賛同と協力を得て、知識と知恵を集結させ、臨機応変に対応できたことによるものと思う。2021年度の臨地・校外実習は、2022年2月から実施される。オミクロン株の蔓延により実施の可否は不確かである。昨年度と同様、「オール学科」として学生の学びの質を落とすことのない対応をしていく覚悟である。 37
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