FDreport_vol15
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Faculty Development ◇学芸学部 ◆教育開発実践報告◆ 「学芸学部 FD 活動報告」 学芸学部長 森 公一 2019年末に発生が報告された新型コロナウイルス感染症は、瞬く間に世界各地に拡大し本学の教育活動にも甚大な影響を与えることになった。2020年度の授業運営においては、半ばパニックのような状況下において、対面を控えてオンラインでの授業を行うことが余儀なくされたが、なんとかこの難局を乗り越えることができた。こうした状況を経て、感染拡大の第3波が収束し小康状態であった2021年3月に、学芸学部第6回FD研究会が開催された。「大学授業におけるICTの多角的活用」をテーマとし、メディア創造学科の余田義彦教授による発表が行われた。 好むと好まざるに関わらず、全ての教員がICTを活用したオンライン授業を行わざるを得ない状況に直面し、1年間の試行錯誤を経た時期であったため、IT・ネットワーク関連分野を専門とされる余田教授の報告はタイムリーな内容であった。発表内容は次の三点、1 その後の「志プロジェクト」、2 ハイフレックス授業、3 マナビー活用のアイデアである。 1のその後の「志プロジェクト」は、2020年3月の学芸学部第5回FD研究会において、メディア創造学科の村木美紀准教授によって行われたPBLによる教育実践のその後の経過報告である。2020年度のコロナ禍にあって、本プロジェクトがいかに実行され、どのような学びへと繋がったのかという点について、共同担当者である余田教授から報告があった。「志プロジェクト」の各プロセスにおいてICTが有効に活用され、コロナ禍であっても例年通りの成果を上げることができた。また社会人基礎力などの基礎的スキルが養われたとの報告であった。 2のハイフレックス授業については、「オンデマンド、オンラインライブ、対面」を組み合わせた授業形態の多様性と拡張性が示された。オンデマンドとオンラインライブのブレンド(反転オンライン)やオンデマンドと対面のブレンド(反転授業)に加え、対面とオンラインライブの相互活用(ハイフレックス)が示された。とりわけハイフレックス授業については、学外からの授業参加、ゲストティーチャーのオンライン招聘、学外者参加型の授業、地理的に離れた2教室をつなぐ授業などへの対応の可能性が示された。 3のマナビー活用のアイデアについては、リマインダ設定、コンテンツの更新、個別指導コレクション、アンケートを使った出欠管理などについての報告があった。余田教授によれば、マナビーの活用に際してなによりもまず行うべきはリマインダ設定であること、次にマナビーのエキスポートやインポートの機能を有効に活用し、コンテンツを一から作成するのではなく、前年のものをアップデートし少しずつ充実させることが便利であること、さらにコレクションを使った個別指導が使いやすいことが示された。加えてアンケートを使っ27

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