Faculty Development 活用例①:意見が二つに割れると予想されるとき 文学作品を読んでいると解釈が二つに割れるような場合がある。その際、どの程度意見 活用例②:意見の割れる物語に対し、教員の説明によってその意見が変わったかを測このことを踏まえ、ゼミにおける二つの実践例を紹介した。 が対立しているのかをグラフによって可視化すると、自らの解釈と異なる解釈をしている人がどの程度いるのか知る契機となり、その後のディスカッションへの良き導入となる。図1はW・フォークナーの「エミリーにバラを」という短編の結末についての解釈を問うたものである(研究会での発表の際には物語のあらすじ等も紹介したが、ここでは紙幅の関係で割愛する)。 図1:「エミリーにバラを」の結末についてのクエスチョン 図2:学生アンケート結果 ってみる 学生の中には、教員の文学作品解説になると途端に集中力が途切れ、耳を閉ざしてしまう者がいる。そうした学生の注意を喚起する意味で、最初に作品解釈のアンケートを取り、それが教員の解説によってどの程度変化したのか、解説後にもアンケートを取ってみるという実践を行った。もちろん、これは「遊び」の要素が多分にあるが、学生は教員が「実験台」になっているという点で興味を惹かれる上、副次的な効果として、教員の話を24
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