14おわりに さて、最後5分、もう終わりますけれども、これからの大学教育の実像を結ぶ。これまで対面でしかできなかったと思われていたことが、さまざまな工夫がとれるようになりました。私たち自身の経験学習という話をしましたが、虚像であったのは、そういった高次の認知能力、改善がみられなかったわけですね。ところが、学生の学びを中心に据える。それからオンデマンドもできるようになりましたし、オンラインもできるようになった。それに新しいカリキュラムを組み合わせて、さらには学びを支える専門職、教材作成や学生相談といった学生支援も含みます。私たち教職員の役割も転換されていくのではないでしょうか。 デジタル・ペダゴジーという言葉があります。私たちが緊急遠隔授業の対応をしていく中で、あるいはデータサイエンスの社会的ニーズのために、STEAM、それからデータリテラシーレベルに準じたカリキュラムをどんどんやっていかなければいけないと要請されてきています。新しい大学の日常を構成するためには、デジタル時代の教育学をもっていかなければいけないんですね。 講演全体の振り返りになりますが、これは「データやテクノロジーを理解すると同時に、技術リテラシーとデーます。突貫工事ですべてネットワークを這わせて、模擬患者さんが画面の向こうに、マネキンがこちらに。それに向いたiPadがブレイクアウト・セッションを同時に20と40、60同時に並行ですると、何が起こったかといいますと、感染予防しながら、模擬的なことなんですけれども、これまでと同等の成果が得られただけではなくて、これを体験した学生は、遠隔診療をする最初のお医者さんたちになるでしょう。 医学教育はほとんどオンライン化しなかったんです。一昨年までは、LMS、貴学でいうmanabaを使っている学生1名ぐらいでした。わかります? 臨床医を含めた教員は、LMSを使ったことがある、オンライン上にPDF資料が載っている授業が一つだけだったんですって。これをきっかけにして、すべての臨床医を含めて?7・8回研修を行って、全部オンライン化できました。1年間ですごい対応です。 そのためにはBYODが大切になります。教室・自宅を選ばないデバイスを用意し、教育クラウド、Google、Microsoft、LMSを整備し、オンラインツールを組み合わせながら相互補完します。オンラインホワイトボードや投票ツールなんかもよく使います。 さらには、こちらは本学の薬学部の教室なのですが、ハイフレックス教室です。 ノートパソコンを持って行って、USBをつなぐだけで、画面切り替え。これ見えますかね。黒板の文字がつぶれないんです。そして、4Kカメラをつないでいますけれども、もう全然設備の、自分の設営が必要ありません。すべての授業がオンライン配信され、オンデマンド録画され、効率も視認性も高めながらやっていった。これは年度末にできましたけれども、オンラインに4回切り替わった薬学部教育も、これですべて復習も、そして反転授業も込み、全教員がこの環境で進められるように変わったんですね。
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