FDreport_vol15
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10やかな、レジリエントという言い方をしてもいいかもしれませんが、しなやかなマインドセットに広げていくということが、この中で生まれます。 コーオプというプログラムは100年の伝統があるということですが、フルタイムでの職場学習と大学での学習を交互に行います。ノースイースタン大学に実際に見学に行ったのですが、コーオププログラムのアドバイザーの部屋があって、アカデミックアドバイザーやコーディネーターが全部差配していました。130か国以上、3300社と一緒にパートナーシップを組んでいるそうです。南極大陸もその一つのフィールドです。観測地に学生、行っているんですね。 有給インターンシップです。ほとんどの学部生が、1回コーオプに取り組むそうです。実際には、2回、3回行くらしいです。マッチングのためには本当に企業の方を招いて、コーディネーターとして雇用して、キャリア支援も含めてやっている。大学に戻ってきて、レポート、ディスカッションによってより深めていく。雇用主たちは、企業の人事担当や社長さんたちへの科学調査をしたときも、卒業生を高く評価しています。全米調査をされたそうですが、96%が教育と実践の統合を重視するという結果だったそうです。 コーオプ実践の事例です。「キャサリンの場合」と実例を挙げています。はじめ数学を目指していたそうですが、道に合っていないということで、アクチュアリーとして保険会社で働いた。そうすると面白かったそうです。そのあと、カタストロフィボンドというリスク証券のプロジェクトに、批判的思考と数学のスキルを応用してみた。要は、数学を学んだので応用できたそうなんですね。で、保険会社でもコーオプを経た結果、今何をやっているかというと、アナリストになったわけです。コンピューターモデルからの結果を解釈するためのシステム思考を学んで、データ読み取り、読み出し、解釈して、重要なのか、そういった役割を担っている。初めのキャリアとずいぶん違いますね。企業での体験を通してこういったことが進んでいくわけです。 ほかにも、寄宿型大学では寮生活だとか、学生独自の研究テーマを持つといったことも、経験学習に含まれるでしょう。 これを総称して、「経験的リベラルアーツ」というわけです。準正課経験というのは、教室で学ぶ以外のものすべてです。こういう、寮生活、学外実習も含めて、カリキュラムに融合していく。そこに新しい分野を混ぜます。先ほどヒューマニクスの話がありました。デジタルとヒューマニティーズ、人文学を掛け合わせたものを、デジタルヒューマニティーズ。社会科学にコンピューターサイエンスを取り入れたものを、計算社会科学。こういった学際的な学位プログラムを作っていくわけです。 既存の学部、学科はあるんだけれども、研究プロジェクトとして複数教員、複数企業が入ってきて、こういった分野を立てていくわけです。IBM、Microsoft、ゼネラルエレクトロニクスもそうですが、大企業はここに注目をしていまして、人文学の成果をちゃんと入れていくということなんですね。 この経験の評価は、ポートフォリオとしても集められています。SAILというアプリ、これは検索してもらうと、ログインはできませんが、どんなことをやっているかが見えます。 eポートフォリオとして、自分の経験を全部このアプリに入れてしまうわけです。人間関係のスキルとか、自己

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