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※所属・役職は掲載時のものです。

熱中症対策と救急車の要請

2018/09/06

森島 千都子(看護学部 看護学科 実習助手)

例年、夏になると熱中症の話題がニュースで取り上げられています。私は救命救急センターでの看護師経験が長く、救急外来での看護を実践してきましたが、今年は特に熱中症で救急搬送されるニュースを多く耳にします。普段目にする救急車ですが、いざ自分が呼ぶとなると慌てることもあるかと思います。大切な家族が、友人が、またはご自身が突然病気になった時、なってから考えるのでは手遅れになる可能性もあります。いざという時のために日ごろから対策を考えておくことで病気を未然に防いだり、最小限の被害で抑えられる事も多々あります。そこで今回は、熱中症対策といざという時の救急車の呼び方について紹介します。

*熱中症対策
地球温暖化に伴い気温は上昇しており、屋内にいても熱中症で死亡するケースが増えています。2017年の熱中症で搬送されたケースの約4割は自宅で発症しており、「屋内だから安全」とはいえない時代になりました。特に高齢の方では、エアコンの使用を嫌って控えることで熱中症の危険を示す温度まで室温が上昇してしまう場合があります。また、トイレに行きたくないために水分を控えたりすることで、汗をかけずに体内の熱を放散することが困難になり、熱中症を引き起こしてしまいます。独居の方は、症状に気づくのが遅れて重症化することも考えられます。熱中症の予防には、従来からある涼しい服装や帽子・日傘の使用はもちろん、バランスのよい食事を心がけたり、運動で急激に体温を上昇させないための体力作りや、こまめな水分補給(汗を多くかいた場合は塩分も補給)、室温を確認しエアコン等を使用した温度調整などが環境省などの情報サイト(http://www.wbgt.env.go.jp/heatenv.php)でも紹介されています。
熱中症は症状によって重症度が分けられています。Ⅰ度は軽症とされていますが、主にめまいや立ちくらみ、こむら返り、手足のしびれといった症状が出てきます。Ⅱ度になると、吐き気や嘔吐、倦怠感、Ⅲ度では意識障害やけいれん等を起こすとされています。Ⅱ度以上の症状やⅠ度の症状が改善しない場合は、病院受診が必要と考えてください。意識がない場合はすぐに救急車を呼びましょう。
応急処置としては、涼しい場所で衣服をゆるめて体温を冷まし、汗で奪われた水分と塩分を補給する事が大切です。体温を下げるには、大きな血管が走っている脇の下や足の付け根を保冷剤で冷やすと効率よく下げることができます。経口から水分が摂れない場合は、点滴の必要性が考えられるため早めに受診をしてください。

*救急車の要請
救急要請の電話は、固定電話でも携帯電話でも「119番」でつながります。固定電話の場合は、ある程度の位置情報の確認ができますので、固定電話が近くにあるならそちらを使って連絡してください。

ここでは、一般的な手順を紹介します。

1. 『119』にダイヤルします。

2. 「火事ですか?救急ですか?」と聞かれますので、『救急です』と答えてください。

3. 「住所と目立つ目印を教えてください」と聞かれます。
住所は市町村から答えます。目印は大きな建物や交差点などの目印を伝えます。

4. 事故や傷病者の状態を聞かれますので、誰が、どのようにして、どうなったのかを簡潔に伝えます。また、分かる範囲で意識の有無、呼吸の有無を伝えてください(傷病者の名前・年齢も一緒に伝えてください)。

5.「 通報者の氏名、電話番号を伝えてください。

6. 「電話で指示された応急処置などがあれば、指示に従ってください。

7. サイレンの音が聞こえたら、出来るだけ救急車を誘導してください。

8. 救急隊が到着したら、行った応急手当、容体の変化、傷病者の既往歴などを報告してください。
1名は救急車に同乗できますので、付き添われるお身内の方は同乗する際に、保険証、診察券、お薬手帳、クレジットカード、履物を持参しておくと受診後の手続き等がスムーズに進みます。

*さいごに
市民を守り命綱である救急車の出動件数、搬送人数は年々増加傾向にあります。しかし、搬送された半数の人が入院を必要としない現状もあり、タクシー代わりの救急車利用と問題視され、救急車の適正利用が呼びかけられています。もし、適切かどうか判断に迷う場合、京都の方は、『京都健康医療よろずネット 075-694-5499』、大阪・奈良の方は『救急相談センター #7119』が救急要請の判断をサポートしています。必要だと判断したら、ためらわずに救急車を要請することで救える命があるのも確かです。適切に利用し、安心して医療を受けられるよう1人1人の心がけが求められています。

暑さはしばらく続きそうです。夏の疲れも出やすい頃かと思います。熱中症対策と暑さに負けない体力をつけ、どうかご自愛のうえお過ごしください。